2018年の世相を一字で表す「今年の漢字」が「災」に決まり、日本漢字能力検定協会が12日、京都市東山区の清水寺で発表した。北海道の地震や西日本豪雨など自然「災」害の多発、仮想通貨流出やスポーツ界のパワハラなどの人「災」など、「災」は最多の2万858票を集めた。「災」が選ばれるのは、04年に続いて2度目。

「清水の舞台」で知られる国宝の本堂が改修工事中のため、昨年に続き奥の院で、森清範貫主(かんす)が縦約1・5メートル、横約1・3メートルの越前和紙に特大の筆で「災」と揮毫(きごう)した。

協会によると、はがきやウェブサイトを通じた公募で決まる「今年の漢字」の応募総数は19万3214票で、「災」は2万858票。理由として、北海道で初の震度7が観測された北海道胆振東部地震、大阪府北部地震、西日本豪雨、台風21号、24号の直撃、列島を襲った災害級の猛暑などを挙げた。そして、例年にない規模の自然災害が日本を翻弄(ほんろう)し続け、全国的に防災意識が高まった。そのほか、仮想通貨流出、スポーツ界のパワハラ、財務省決裁文書改ざん、大学不正入試問題などを多くの人が「人災」としてとらえた。

森貫主は「今年は大水や大雨、米国の山火事があった。自然災害や人災のない来年であるように祈念した」と話した。今年の漢字は24回目。昨年は、北朝鮮のミサイル発射などから「北」が選ばれた。