チェルノブイリや福島の原発取材などで、人権派フォトジャーナリストとして知られる広河隆一氏(75)が、同僚のアルバイト女性に性的関係を強要するなど、7人の女性が性被害にあったと週刊文春が報じ、広河氏は26日、代表取締役社長を務める「株式会社デイズジャパン」のホームページでコメントを発表した。広河氏は「心からお詫び」と謝罪し、代表取締役社長などを解任されたことを明かした。

広河氏は文春の記事について「私は、その当時、取材に応じられた方々の気持ちに気がつくことができず、傷つけたという認識に欠けていました。私の向き合い方が不実であったため、このように傷つけることになった方々に対して、心からお詫びいたします」と謝罪した。性的関係を強要したかどうかなど、細部については触れなかった。

また「今回の報道により、私は、株式会社デイズジャパンの代表取締役を解任され、取締役の地位も解任されたこと、また、認定NPO法人沖縄・球美の里についても、名誉理事長を解任されたことを、ご報告いたします」とした。

週刊文春は、広河氏が「性暴力」をしたと報道。「デイズジャパン」編集部に出入りしていたフォトジャーナリスト志願など7人の女性に対し、性的関係を強要したり、ヌード撮影を迫ったり、セクハラしたりしたとしている。中には大学生アルバイトもいたという。広河氏は同誌上で「(女性たちは)僕に魅力を感じたり憧れたりした」など、強要ではないと反論していた。

「デイズジャパン」はホームページ上で、「広河氏との関係も清算中です。弊社として、広河氏の言説を看過するわけにはいかず、これに与する立場ではないことも鮮明にいたします。広河氏が、自ら本件について誠実な対応を取ることを求めるとともに、弊社としても、弊社の存在意義をふまえ、最後までDAYS JAPANの刊行に取り組む所存です」などとコメントしている。

広河氏は04年に月刊報道写真誌「DAYS JAPAN」を創刊。経営難と後継者不在のため、19年2月での休刊を発表していた。