4月から史上最年少で囲碁のプロ棋士となる小学4年生の仲邑菫(なかむら・すみれ)さん(9)が6日、大阪府東大阪市内で、憧れの井山裕太棋聖(29)と公開対局を行った。勝敗はつかなかったが、井山棋聖は菫さんの才能を大絶賛した。

井山棋聖の出身地で開かれた「井山杯新春囲碁フェスティバル」で実現した対局は、菫さんが先手のみを与えられるわずかなハンディで行われた。序盤は互角以上の局勢も、終盤では井山棋聖が意地を見せ、井山棋聖優勢で制限時間切れの「打ち掛け」で引き分けとなった。昨年も同大会で対局している井山棋聖は「(昨年と)比べものにならないくらい強くなっていた」と菫さんの成長に驚き「ほんと恐ろしい子」。内容については「途中まで押されて非常に苦しかった」と振り返り「近い将来、やられる可能性が高いので、今日は頑張ろうと思っていた」と会場を沸かせた。

対局中は背筋をピンと伸ばし、鋭い視線を碁盤に向けていた菫さんは「(井山棋聖と)打ててうれしかった」と笑顔。井山棋聖は「自分の9歳の頃とは比べものにならない」と舌を巻き「男性に交じっても十分、天下を狙える才能」と太鼓判を押した。【奥田隼人】