私的な投資の損失を日産自動車に付け替えたとして、特別背任容疑で再逮捕された、日産自動車前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)の弁護人3人が8日、同容疑者の勾留理由開示手続き後に東京・千代田区の日本外国特派員協会で会見を開いた。

かつて東京地検で特捜部長を務めた大鶴基成弁護士は、質疑応答の中で「勾留の背景の理由をどう考える? クーデターか?」と聞かれると「私は刑事弁護人。把握できるのは検察官がどういう証拠に基づき、捜査してるかということ。報道でクーデターと書かれているのは知っているが、そういうことを知る立場でも、コメントする立場にもない」と答えた。

検察が日産と手を組んでゴーン容疑者を追い出したのでは? などと一部で見られていることについては明確に否定。「私は検察にいましたから分かるということもありますが、検察が例えば日産の争いがあって、どちらかに肩入れする捜査をすることはないというのは確か。日産から提供された証拠はあるだろうが捜査、起訴すべきだとやっているわけです」と答えた。

その上で「ただ刑事弁護人として感じているのは、もう少し慎重に証拠を見て捜査して欲しかった、ということ」と苦言を呈した。【村上幸将】