初売り商戦が一段落した百貨店業界は、早くもバレンタイン商戦へと切り替わった。東京・銀座の松屋銀座では9日、試食会が行われた。今年の特徴として、「女性が楽しむバレンタイン」をテーマにエンタメ性を重視。チョコブランドは、昨年の105から85へと減らしたが、実演販売やイートインのコーナーを3店舗から11店舗へと拡充した。「ギフトとして誰かにあげるものから、自分自身が楽しむ空間へとした。売り場に長く滞留して、その場を楽しんでもらいたい」(松屋銀座広報課)。

中でも目を引いたのは、チョコ上生菓子と抹茶を楽しむ「バレンタイン茶席」。バレンタイン商戦に和菓子業者を投入するのは、業界初と思われる。「チョコの販売は飽和状態。チョコを使った和菓子を実際に見せて表現することで、目玉としたい。同じ甘いお菓子。ショコラティエがスター扱いされるのなら、和菓子職人が脚光を浴びてもいいのでは」と、担当した松屋銀座食品部の牧野賢太郎さん(36)は力を入れる。コンビニの利便性、スーパーの物量作戦ではなく、百貨店ならではの総合力をぶつけてきた。

松屋銀座のバレンタインフェアは、1月30日から2月14日まで。