4月から史上最年少10歳で囲碁のプロ棋士となる小学4年生の仲邑菫(なかむら・すみれ)さん(9)が12日、大阪府警此花警察署の一日警察署長を務めた。

帽子にネクタイ、警察官の制服を着た仲邑さんは委嘱式に出席。荒武泰子署長から委嘱状を受け取り、「一日警察署長」のたすきをかけられると、はにかんだ。

同署の近くの此花公園で、特殊詐欺被害防止のキャンペーンに登場すると、地域の人々から「かわいい~」との声が上がった。高齢者らの被害が絶えない特殊詐欺の撲滅を目指すキャンペーン。仲邑さんは「おじいちゃん、おばあちゃん、だまされないでね」と少し照れながらも、元気に呼びかけた。司会者から一日警察署長の感想を尋ねられると「うれしい」と笑顔を見せた。

特殊詐欺被害防止のチラシを参加した地域住民1人1人に手渡しする“大役”も果たした。横浜市で暮らす小学6年の孫がいるという男性(72)は「一生懸命な姿に涙が出そうになった。ちょっと孫とオーバーラップしたかな」と話した。記念にスマートフォンで撮影する住民も。

同署によると、“すみれちゃん効果”で参加人数は例年の倍の約50人。東京生まれの菫さんは、囲碁のプロ棋士でもある父の信也九段とアマ強豪として知られた母の幸さんと大阪市内で暮らす。

同署は「まさか菫さんに参加していただけるとは思わなかった。ご両親にお話ししたら地域のためならとご協力いただいた。ありがたい。すごく効果的なキャンペーンになった」と感謝した。