12年に1度、統一地方選と参院選が重なる「亥(い)年選挙」の第1陣、山梨県知事選が選挙戦に突入した。事実上、与野党候補2人の一騎打ち。自民党は44年ぶりの独自候補で、二階俊博幹事長に近い長崎幸太郎氏(50)を擁立したが、これまで山梨2区で対決してきた自民・堀内家との確執も残る。一方、長崎氏に反発する一部の自民系首長は、再選を目指す民主系の現職、後藤斎氏(61)の支援に動いた。亥年選挙初陣から保守分裂の大激戦。結果は安倍政権の19年戦略にも影響する。27日投開票。

◆亥(い)年選挙が注目されるのは?

亥年は、4年に1度の統一地方選と3年に1度の参院選が重なることで「亥年選挙」と呼ばれるが、選挙結果は自民党に「鬼門」となってきた。前回07年は第1次安倍政権で、「消えた年金」問題など政権のスキャンダルが相次ぎ、統一地方選は民主党が躍進。参院選も自民は37議席にとどまり、60議席を獲得した民主党に惨敗。首相は同年9月、体調不良を理由に退陣した。95年の参院選でも新進党が躍進、比例代表で自民を上回った。

今年は統一地方選が行われる4月、衆院沖縄3区、大阪12区の2補選も予定される。7月の参院選前の国政選挙で、安倍政権に対する「直近の民意」が示される。また、今後予定される知事選は、山梨以外でも福岡、群馬などで自民系「分裂」の芽をはらんでいる。