平成最後となる成人の日の式典が14日、全国各地で行われた。昨年の成人式後の暴走行為で、逮捕を含む20人以上の摘発者が出た神奈川・厚木市では、市や警察が式場周辺の警備を大幅に強化。暴走の芽は早々につみ取られた。市町村で最も人口が多く、約3万7千人が新成人となった横浜市の成人式では、複数人が壇上に登ろうとしてもみ合いになるトラブルが起き、式典が一時中断する騒ぎとなった。全国で新成人125万人(総務省推計、1日時点)が門出の日を迎えた。

紋付きはかまでオープンカーのドアや改造車の屋根に乗り、本厚木駅付近を周回-。そんな映像が報じられ、道交法違反(共同危険行為等禁止違反)での逮捕を含む20人以上の摘発となった成人の日から1年。厚木市の成人式会場は、一目で分かる厳戒態勢だった。

厚木署は会場向かいに、昨年までなかった検問を設置。高さ約2メートルの違法マフラーを付けた改造車を止め整備不良の反則切符を切るなど、数台を摘発した。また、自分の名を入れたのぼりを積んだ新成人の車を次々止め、建物内に持ち込まないよう注意した。昨年を大きく上回る50人以上の警察官が会場を警備し、機動隊も動員。市内要所にも警察官が配備された。

それでも会場には、のぼりを手にした新成人が次々来場。「オレが一番気合入っているぜ」「(のぼりの)名前をちゃんと写して」などと口々に報道陣にアピールしたが、のぼりを持ったまま建物に入ろうとしたところを警備員に制止され、あえなく入り口預かりの“没収”となる場面も。会場には「模造刀や酒類の持ち込み禁止」「暴力行為があった場合退場」と警告する看板が多数設置された。

市や厚木署は昨年の騒動を受け、今年はホームページで「警察官増員」などと注意喚起していた。市の担当者は14日夕「今年はここまで、暴走などの報告はない。現状では対策の効果もあったのでは」と一定の手応えを得た様子で、「来年以降も警察と連携を取っていきたい」と話していた。