将棋の第12期朝日杯オープン戦の本戦トーナメント1回戦、藤井聡太七段(16)対稲葉陽八段(30)戦が20日、名古屋市内で行われた。昨年の同棋戦で、藤井は佐藤天彦名人(31)や羽生善治九段(48)らを破り、15歳6カ月の史上最年少で棋戦初優勝を果たした。過去、同棋戦で連覇を達成しているのは羽生だけ。藤井が地元・愛知で史上2人目の2連覇へ、スタートを切った。

振り駒の結果、稲葉が先手に決まった。午前10時、お互いに深々と一礼し、対局を始めた。稲葉は飛車先の歩を突くと、藤井はいつものようにお茶を一口飲んでから歩を進めた。

両者の対戦成績は稲葉の1戦1勝。稲葉は「藤井キラー」として話題になる井上慶太九段一門。井上一門は対藤井戦で5勝1敗。藤井が勝てば、20日午後2時から準々決勝で佐藤と糸谷哲郎八段(30)の勝者と対戦する。

同棋戦は持ち時間各40分の早指し戦。棋士と女流棋士、アマチュアが参加し、1次予選、2次予選、本戦とすべてトーナメントで優勝を争う。持ち時間を使い切ると1手1分未満の早指し戦となる。本戦を戦うのはシード8人を加えた16人。前年優勝者の藤井は今回はシード枠として本戦から参加した。決勝は2月に行われる。