将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(16)が20日、名古屋市内で行われた第12期朝日杯オープン戦の本戦トーナメント準々決勝で、糸谷哲郎八段(30)を破り、ベスト4に進出した。同棋戦の史上2人目の連覇へ、大きく前進した。

対局はファンに公開され、大盤解説会と合わせて多くの人が詰めかけた。藤井は午前中の1回戦で、得意の角換わりの戦型から積極的な攻めを見せ、稲葉陽八段(30)を下した。糸谷との準々決勝は、中盤優位を築いた藤井が押し切った。稲葉、糸谷とも名人への挑戦者を決める順位戦で最上位のA級に在籍するトップ棋士。公式戦の通算成績は105勝18敗となった。

昨年の同棋戦では15歳6カ月の史上最年少で棋戦初優勝。中学生棋士としての棋戦優勝は史上初の快挙だった。

前年優勝者のため、今回はシード枠として本戦から参加した。藤井は地元・愛知での対局に「多くの方にお越しいただく中での対局はうれしい」とファンに感謝した。

1回戦後には糸谷との対局について「A級の先生との対戦は楽しみ。(糸谷先生は)早指しは非常に強い。自分のペースで指せるようにしたい」と意気込みを語っていた。終始、ペースを握った快勝だった。過去、同棋戦で連覇を達成しているのは羽生善治九段だけ。高校生プロが連覇を狙う。