三浦雄一郎さん(86)のアコンカグア登山断念を決めたときの電話でのやりとり。日本時間20日午後8時ごろ、日本の事務所に残った長女恵美里さんと同行した次男豪太さん、チームドクター大城和恵さんと三浦さん本人も元気な声で話していた。敬称略。

 

豪太 はーい。いいかな。

恵美里 もう大丈夫、今もう、録音してる、大丈夫。

豪太 えーと、1月19日から20日にかけて2日間。

恵美里 うん。

豪太 ここコレラキャンプにいます。

恵美里 はい。

豪太 えー、その間、この状態を2晩みてきたんですけれども、この状態での生活が肉体的に、精神的に厳しいとみまして、先ほど大城和恵ドクターから、えードクターストップの見解が出ました。お父さんに代わります。

恵美里 はい。

三浦 もしもし。

恵美里 あっ、どうも、お父さん、ごくろうさんでした。

三浦 すみませんでした。僕自身、大丈夫だと頂上まで行けるという自信がありましたけども、えーやはり周りでみても状況、大城先生の判断でということで(中止する)そういうことにしました。

恵美里 分かりました、はい。

三浦 とういうことでいいですか? 大城先生に代わります。

恵美里 はい、分かりました、すいません。大城先生お願いします。

大城 もしもし。チームドクターの大城和恵です。よくここまでこの肉体と年齢で、よく頑張ったと思います。ただこの状況は、もう生物学的には86歳としては限界です。生きて帰るために今日このままおりる判断をしました。ここまでよく頑張られたと思います。これだけでも素晴らしい記録だと思います。代わります。

豪太 はい、もしもし。

恵美里 あっ、分かりました。あの気をつけておりてきてください。あの最後まで、あの、やっぱり、普段は上に向かっている気持ちがいっぱいだけど、おりるときになったときにお父さんの気持ちが一番心配なので、それをきちんとフォローしてあげてもらえればと思います。

豪太 はい、分かりました。

恵美里 はい。