同性間の結婚が現行法で認められていないことで、同性カップル13組が全国4カ所の地裁で起こす国家賠償請求訴訟の提訴日が、2月14日のバレンタインデーとなることが21日、分かった。この日、都内で行われたシンポジウムで発表された。

弁護団は「好きな人と一緒に生きたい全ての人が幸せになるよう思いを込めて」と、日程の理由を説明。ホームページ立ち上げと署名サイト「Change.org」での署名活動開始も発表された。

原告カップル2組も出席した。中島愛さん(40)は昨年にドイツで、クリスティナ・バウマンさん(32)と婚姻届を提出し、結婚した。だが、日本で今月16日に提出した婚姻届は、この日、不受理の電話連絡が来た。学生のバウマンさんは結婚による永住権が取れず、学生ビザで日本に滞在している。中島さんは、「一緒に住むことすら許されない。日本国民に対する侮辱」と訴えた。

1月4日に原告カップルの先頭を切って婚姻届を提出し、不受理となった古積健さん(44)相場謙治さん(40)カップルは、「他のゲイ、レズビアンのカップルで親にも言えない、手もつないで歩けない、という人もいる」と訴えた。13年に都内の外資系ホテルで挙げた結婚式では、当初は法的に認められない結婚のため断られたが、粘って交渉し、海外の本社から許可を得たエピソードを披露。「引き下がると、あとに続く人も断られてしまう」との思いがあったとし、今回の訴訟でも「同じ思いを持つ人の分も、前に立つ」と決意を示した。

訴訟は国家賠償請求の形をとるが、弁護団は「日本の裁判は、憲法違反だけを求めて提訴できないため」としており、「求めるのは慰謝料ではなく、同性婚の実現」と訴えた。東京・渋谷のホテルで行われたイベントは、定員の100人が満員となった。【大井義明】