4月1日付で囲碁で史上最年少の10歳0カ月30日で初段になる小学4年生の仲邑菫さん(9)が22日、韓国・ソウル市内の韓国棋院で会見を開き「出来るだけ早く、世界ナンバーワンの棋士になることが目標」と宣言した。

菫さんは目標とする棋士に、日本の第一人者の井山裕太棋聖(29)が18年3月のワールド碁チャンピオンシップ決勝で敗れた、囲碁世界ランキング1位の朴廷桓(パク・ジョンファン)九段の名を挙げた。それを受けて、朝鮮日報は電子版で「日本の天才少女『朴廷桓のようになりたい』」という見出しで、会見のもようを詳しく報じた。

菫さんは会見場に、父の信也九段(45)とアマチュアの強豪として知られた母、そして18年4月から武者修行していたソウルの韓鐘振囲碁道場の韓鐘振九段と一緒に会見に臨んだ。日韓のメディアが多数、駆け付け、熱気あふれる場内に、ややはにかみつつも「勝つと気分良く囲碁が出来ます」などと語った。

今回の渡韓は、菫さんが囲碁修行で韓国棋院にお世話になったことから、4月のプロデビューを前にあいさつすることが目的だった。その中、韓国棋院から女流名人では世界で2強とも言われる崔精九段(26)との記念対局の企画が出て、日本棋院側が応じた。信也九段は、菫さんを韓国に修業に出した意図について聞かれ「日本には朝から晩まで囲碁を学ぶ環境がなく、韓国の環境が良く留学を決意した」と語った。

韓鐘振九段は「初めて見た時から、この子は強く大成すると思った」と菫さんの印象を語った。18年7月に韓国内の子ども名人戦で負けそうになると、涙を流したことが韓国内でも話題になったといい、韓九段は「誰と指しても萎縮せず、自分の囲碁を貫く」と菫さんの囲碁を評した。

菫さんは23日に崔精九段と記念対局を行う。対局は韓国の旧正月の3日午後7時(現地時間)から、韓国の囲碁TVで放送される。囲碁テレビの関係者は「崔九段との対局で菫初段の現在の実力検証と刺激になることができるよう、今回の対決を企画した。菫初段の登場をきっかけに、日本囲碁界が発展することをほしい」と企画意図を語っている。