10歳の小4長女に1時間20分以上、冷水シャワーをかけたり首をわしづかみにするなどしたとして、千葉県警野田署は25日、野田市の自称会社員、栗原勇一郎容疑者(41)を傷害容疑で逮捕した。長女の心愛(みあ)ちゃんは浴室で死亡していた。体に複数の古いあざのような跡があったことから、署は日常的に虐待があったとみて、傷害致死や殺人容疑も視野に調べている。認否は明らかにしていない。

逮捕容疑は1月24日午後10時から11時20分ごろの間、自宅浴室で心愛ちゃんに対し、髪の毛を引っ張ったり冷水シャワーをかけるなどし、さらに首付近をわしづかみにするなどの暴行を加え、首付近に擦り傷を負わせた疑い。

署によると、栗原容疑者は午後11時10分ごろ「娘と風呂場でもみ合いになり、静かになって呼吸をしていない」と110番通報。警察の通報で救急隊が駆けつけたが、現場で死亡が確認された。遺体の状況から、死後時間が経過している可能性がある。大きな外傷は見られず、今後司法解剖して詳しい死因を調べる。栗原容疑者は「暴れるので首をつかんで押さえつけた」と供述していたという。

通報時、自宅には妻(31)次女(1)がいた。捜査関係者は、妻が黙認していた可能性が高いとみている。

心愛ちゃんは虐待を受けている疑いがあるとして児童相談所(児相)の支援を受けていた。市や署の職員らで構成される要保護児童対策地域協議会では、昨年4月からその情報を共有していた。ただ警察に通報や相談はなく、署は「警察も判断はするが、児相の一次的な判断を超えてまで介入する緊急性はないと判断していた。警察に提供された支援近況の情報を見ても、危険は潜在的で予測困難だった」としている。心愛ちゃんは17年に、野田市などを担当する柏児相で保護されたこともあったというが、署は今回の事件後に初めて把握したとしている。【大井義明】