平成に入ってすぐ、エロスとアートの壁を崩した写真集が世に出された。1991年(平3)に発売された女優樋口可南子の「water fruit」で、ヘアヌードが事実上解禁され、18歳の清純派、宮沢りえが一糸まとわぬ姿を披露した「Santa Fe」は165万部を売り上げるベストセラーに。ヘアヌードは社会現象となった。両作品を撮影した写真家の篠山紀信氏(78)が、ヘアヌードで始まった、平成という時代を振り返った。【取材・構成 大井義明】

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篠山氏が「おそらく僕の平成最後の写真集」とした作品は、大学ミスコン出身者らのユニット「キャンパスクイーン」卒業生3人がモデル。松井りな(25)、結城モエ(24)、高尾美有(23)を1冊ずつ撮影した「premier(プルミエール)」と、スペシャル版「ラ・リューシュの館」(いずれも小学館)が発売中だ。篠山氏が「なぜ今、裸になったか。1人ずつ理由、決心を書いている。葛藤だらけなんだけど、それを乗り越えて新しい自分を獲得した、と。それがすごくいい」と言う自信作。24日にはSHIBUYA TSUTAYAで4人でイベントを行う。