桜田義孝五輪相は13日の衆院予算委員会で、五輪の根本原則を定めた「五輪憲章」について、「話には聞いているが、自分では読んでいない」と発言した。

質問した階猛衆院議員は「話には聞いている、って…」と言葉を失い、「五輪における憲法みたいなものだ。(本当に)聞いたことがないのか」と再度指摘。

すると桜田氏は「IOC(国際オリンピック委員会)で採択された、根本原則を細分化したもの。憲章は運用の基準」「人間の尊厳保持に重きを置く」と、メモを読みながら説明した。

人間の尊厳とはと問われると、「人によって立場は違うので価値観は違う。いろんな考えがあると思う」と、かわした。

階氏は「人間の尊厳をまったく理解していない発言だ」と述べた上で「池江選手を、金メダルを取るような道具としか見ていない。人間を道具のように見ることは、五輪憲章の根本に反する。憲章を読んでないことも大臣の資質を欠いている」と指摘。桜田氏には、五輪相の資質がないとの認識を示した。

岩手1区を選挙区に持つ階氏は、東京大会が「復興五輪」と位置づけられていることを引き合いに、「あなたに復興五輪は任せられない。ぜひ辞めてほしい」と求めたが、桜田氏は「職務をまっとうしたい」と、述べた。【中山知子】