安倍晋三首相は18日の衆院予算委員会で、トランプ米大統領が、首相からノーベル平和賞に推薦されたと発言したと報じられている問題について、「ノーベル委員会は、推薦者と非推薦者を50年は明らかにしない方針を踏まえ、コメントは控えたい」と述べた。国民民主党の玉木雄一郎代表の質問に答えた。

首相はその上で、「トランプ大統領は北朝鮮の核ミサイル問題に果敢に対応しておられる。昨年、歴史的な首脳会談を行い、その際には拉致問題について私の考えを直接、金正恩委員長に伝えていただいた」と述べた。拉致問題について、現在もホワイトハウスの協力を得ていると述べ、「私もトランプ大統領と手を携え、北朝鮮の核ミサイル問題、拉致問題の解決に向けて引き続き全力を尽くしていく」と述べた。

玉木氏は「報道は事実と違うのか」と食い下がったが、首相は「(報道が)事実ではないと申し上げているのではない」と述べ、同じ内容の答弁をまた繰り返した。

これに対し、玉木氏は「言えないということは、(推薦)されたということだろう」と持論を述べた上で、「今の北朝鮮の関係において、北東アジアが平和だという認識が総理にあるなら、問題だ。拉致も核もミサイル問題は何ら解決していない」と批判。「もしこれで推薦したら、北朝鮮への総理の認識は甘いと言わざるを得ないし、対外的に間違ったメッセージになる」と述べ、首相の対応に懸念を表明した。