会社法違反（特別背任）などで起訴された、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告（65）が12日、都内にある弁護団の弘中惇一郎弁護士（73）の事務所を訪問し、弁護団会議に参加した。

同弁護士は夕方、都内で取材に応じ、同被告が日産が作っている調査報告書について「多分、非常に細かい小さな問題ばかりだ」と語っていたと明かした。主な一問一答は以下の通り。

－◇－◇－◇－◇－◇－

－ゴーン被告が使うパソコンは？

弘中弁護士　詳しくは知らないけれど、インターネットにはつながっていないから、それ以外の用途で使っていると思う。

－手記や自伝を書いているのでは？

弘中弁護士　いやぁ…それは、どうですかね？　していないのでは？　それと、途中で娘のマヤさんが来られたので、パソコンで仕事するというより、娘さんとお話ししたりしている時間が多かったのではないですかね？

－ゴーン被告専用の部屋を用意？

弘中弁護士　専用ということはないですけど、狭い事務所の中の比較的、使っていない会議室をお使いいただいている、ということですね。

－フランスの検察も捜査準備段階に入った。その件の日本の裁判への影響については話が出た？

弘中弁護士　それは全く話題に出なかったですね。むしろ日産が今、調査報告書を作っていることについては若干、話題にはなりました。「多分、非常に細かい小さな問題ばかりだ」とおっしゃっていた。

－全面的に無罪を主張していくという方向に変わりはない？

弘中弁護士　それは、そうです。

－無罪を勝ち取るための秘策は？

弘中弁護士　秘策はですね…言わないところが秘策の秘策たるゆえんなので…ちょっと言えませんね（苦笑い）

－米国の代理人を通じ、日産の取締役会に出られなかったことについて米国在住の代理人を通じて「失望した」とする声明を発表したが

弘中弁護士　多分、英語の方は高野弁護士がチェックしている。私の方は知らないです。

－現時点で裁判はいつ頃になると想定する？

弘中弁護士　公判前整理は既に日程が入っていますので、公判前としては裁判は始まっているわけですが、公判前整理をいつ閉じて、公開の法廷にするかは…進めてみないと分からない。大きな予想とすると…秋口じゃないかな、という気がしますね。現在は進行協議です。

－公判前整理が開かれたらゴーン被告本人は出席する？

弘中弁護士　始まれば出席すべきだというのが弁護人の意見で、それは伝えています。その話もしましたし、本人には「出た方がいいですよ」と話しましたので多分、受け入れてくれるのではないかと思います。

－弁護団会議は？

弘中弁護士　日程は決めている。週1くらいの感じですかね。その間も連絡は取り合うわけですから話し合うかも知れない。

－今後、ゴーン被告は弁護団会議に頻繁に来るか？

弘中弁護士　1つ、難しいなと思うのは今、こういう（報道陣が殺到する）状態で付近の交通にも大変、迷惑をかけたりしている。今日も警察の方から「裁判所にちょっと言って、変えてもらった方が良いのではないか？」とアドバイスされたくらいのものなので、こういう混乱が続くなら、いつまで続けられるか、ということですけど。

－ゴーン被告は朝9時前くらいに事務所に来た。パソコンを操作したのはどれくらい？

弘中弁護士　午前中はずっと会議していたわけですから。しかも午後は娘さんが来たりしたので、そんなに長い時間じゃないです。