4月1日に日本囲碁史上最年少の10歳0カ月30日で初段になる仲邑菫さん(10)が26日、都内の日本棋院東京本院で行われた平成30年度合同表彰式で、新入段者免状を授与された。

囲碁ナショナルチームの新メンバーに育成選手として加わることも決まり、「世界で戦える棋士になりたいです。よろしくお願いします」とあいさつした。

日本棋院は、年度合同表彰式を今回、初めてメディアに公開した。昇段者と新入段者に免状を授与する表彰式で、内輪で行う入学式のような位置付けの会だったという。それを今回、公表したのは、メディアを呼び込み、広く報じられることで囲碁の周知を図りたい、という狙いがあったという。

この日の合同表彰式には、日本棋院が新設した「英才特別採用推薦棋士制度」で10歳でプロになる菫さんを目当てに、テレビや新聞など40社超のメディアが集結。テレビカメラ、スチールカメラそれぞれ14台が、菫さんの一挙手一投足を追った。日本棋院の関係者は「公開するのは初めてで、どれくらい取材陣が来るか分かりませんでしたが、こんなに来ていただけるとは…」と驚き、笑みを浮かべた。

新入団棋士の中には、仲邑さんの他にも、12歳の上野梨紗さん、13歳の福岡航太朗さんと若い世代が食い込んだ。第21世本因坊秀哉名人の業績を記念する秀哉賞を、小林光一名誉棋聖を塗り替える7回連続で受賞した井山裕太五冠(29)は「若い棋士の活躍、成長が素晴らしく、この度、新入段者としてプロになられる皆さんも、非常に優秀な人材がそろっている」と期待を寄せた。

日本棋院の小林覚副理事長は「こんなに、いっぺんに若い子が入ったことはない。菫さんをきっかけに、他の有望な若手棋士も見ていただきたい」と“菫さんフィーバー”に沸いた年度合同表彰式初公開の効果を期待した。【村上幸将】