日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)の妻キャロルさんはパスポート(旅券)を2冊所持していた。

5日夜に渡仏した際は、米国の旅券で出国。英紙フィナンシャル・タイムズによると、ゴーン容疑者再逮捕時、検察はキャロルさんのレバノンの旅券を押収したが、米国の旅券は見つからなかったと報じた。検察が米国の旅券を押収しなかった理由について、弘中弁護士は「検察に聞いて下さい。私は分かりません」と話した。

米国では法律上、二重国籍が認められており、旅券を2冊持つことは可能。基本的には米国の出入国の際は米国のパスポートを使用しなければならないなどのルールがある。一方、日本では二重国籍が認められておらず、成人は一般旅券を1冊しか所持できない。例外もあり、外交官は外交旅券と一般旅券の2冊持っている。

一定条件を満たせば、市民権を購入できる国もある。マルタでは、本人の身元確認など審査の上、最低価格65万ユーロ(約8450万円)から購入可能。市民権=旅券を得られれば、EU内を行き来しやすいなどビジネス上でのメリットが大きいといった理由から、購入者は非EUの中国やロシアなどの裕福なビジネスマンや資産家が多いと言われている。【近藤由美子】