囲碁の最年少プロ、仲邑菫(なかむら・すみれ)初段(10)が28日、大阪市の日本棋院関西総本部で行われた非公式戦・若竹杯の準々決勝で、村松大樹六段(30)に逆転負けし、ベスト4進出を逃した。

午前の1回戦では種村小百合二段(37)を破り、プロ初勝利。勢いに乗る仲邑は、初の男性棋士、しかも村松は父の仲邑信也九段(46)の門下となる同門対決にも動じることなく、攻め込んだ。

終局後、立会の後藤俊午九段(52)は「だいぶ格上の村松六段ですが、だいぶ肝を冷やしたのではないでしょうか。一時はAIの評価では仲邑初段が90%有利の判定でした。最後は村松六段がなんと言いますか、うまいテクニックを使って菫ちゃんをハメたような結果になりました」と笑いを交えたながら分析した。

村松は棋聖戦Cリーグの在籍する関西の若手実力者。「金星」を逃した仲邑は「ちょっと悔しい」と振り返った。

あわやの村松は「あんまりホメられた内容ではなかった」と反省し、「今回、仲邑初段と初めて対局したが、とても10歳とは思えない。強くて、打っている姿も立派なプロ棋士です」と絶賛した。

若竹杯は40歳以下の日本棋院関西総本部に所属する棋士によるトーナメント戦。持ち時間は各1時間30分の切れ負け制。持ち時間を使い切った対局者が負けとなる。今回は男女16人が参加した。準決勝、決勝は後日、行われる。