会社法違反(特別背任)などで起訴された日産の前会長カルロス・ゴーン被告(65)の弁護団の弘中惇一郎弁護士(73)は13日、都内で取材に応じた。

弘中弁護士は、4月25日にゴーン被告が再保釈された際、東京地裁から条件としてキャロル夫人(52)との自由な接触の禁止された件について、東京地裁に対して接触の許可申請を、まだしていないと明らかにした。報道陣から、キャロル夫人との許可申請をしているかと聞かれると「それは検討しています。まだ、していません」と答えた。

ゴーン被告とキャロル夫人の接触については、事件関係者として挙げられている面々と同様、直接、または弁護人を除く他の人間を介して、面接、通信、電話などによる一切の接触をしてはならない。ただ、裁判所に対し、事前に面接、連絡を行う日時、場所、方法及び事項を明らかにして許可を申し出て、許可を受けた場合は接触できるという。同被告は保釈条件に、キャロル夫人との接触が自由にできないことが追加されたことについて、米国の広報担当者を通じて「残酷で不必要だ」と不満を訴えていた。

弁護団は9日、東京地裁に夫婦間の接触禁止を保釈条件とする保釈許可決定に対する準抗告をしたが同日、棄却された。そのことについて「準抗告を申し立てましたが認めてもらえなかった。特段の理由は示されなかった。キャロルさんに、そこまで制限しなければいけないという合理的な理由が分からない。もう1つは、夫婦は基本的に一緒にいる。憲法以前の人類固有の権利みたいなものですから、それを合理的な理由なく制限するのはおかしい。この2点に尽きます」と説明。最高裁に不服を申し立てる特別抗告をするかと聞かれると「それも検討しています」と答えた。

ゴーン被告が、準抗告が棄却されたことについて、どのような反応をしていたか? と聞かれると、弘中弁護士は「大変、心を痛めていたと思います」と答えた。【村上幸将】