関西囲碁将棋記者クラブは14日、第27回記者クラブ賞に囲碁の井山裕太4冠(29)、将棋の豊島将之2冠(29)を選出、表彰した。井山は8年連続12回目、豊島は初の受賞。また、将棋の若松政和八段(79)と杉本昌隆八段(50)に特別賞を贈ることを決めた。

井山は昨年、名人と碁聖を失ったが、5冠を防衛。天元防衛でタイトル獲得通算43期となり、趙治勲名誉名人を抜いて1位になった。「関西の歴史ある賞をいただき、名誉に思っています」とあいさつ。「厳しい戦いが続いているが、自分としては悪くないと思っている。なんとか結果を残したい。豊島さんが勝ちまくっているので、豊島さんにあやかりたい」と笑顔で話した。

豊島は初タイトルの棋聖獲得で羽生九段のタイトル通算100期を阻止、続いて王位も獲得した。A級順位戦もトップで初の名人挑戦を決めた。「昨年度は飛躍の1年でした。ここ数年の将棋ブームはありがたく、やりがいがある」と話した。現在、第77期名人戦7番勝負では、佐藤天彦名人(31)から3連勝とし、初の名人獲得に王手をかけている。第4局へ向け「一瞬、一瞬を大切にしたい」と意気込んだ。

若松は地元神戸で約50年にわたり将棋教室を続け、若手の指導や普及に大きく貢献した。杉本はベテランながら順位戦C級1組でB級2組への復帰昇級を決めた。弟子の藤井聡太七段(16)とのダブル昇級がかかった終盤は大きな話題になった。