戦争による北方領土の奪還論に言及して日本維新の会を除名された丸山穂高衆院議員(35)は20日、13日の謝罪会見後初めて取材に応じ、自身の発言の「正当性」を強調した上で、野党による辞職勧告決議案提出に強く反発した。

「発言に対して(決議案を)出すのは、言論の府が自らの首を絞めかねない。私が辞めれば前例をつくりかねず、絶対に辞めるわけにはいかなくなった」と、辞職勧告を拒絶。「あらゆる議論をした中での1つの発言で、何ら公式の場で申し上げたことではない」と開き直り、「憲法の理念を逸脱しているとは考えていない」とも言い切った。

その上で「謝罪すべきはあの場での(酒に酔った発言の)不適切さと、島民の皆さんに配慮を欠いたこと。わが国固有の領土である北方領土を不法に占拠しているのはロシア側。そこに謝罪するというのは間違っている」。過去に飲酒トラブルがあることから、維新の松井一郎代表がSNSで丸山氏のアルコール依存症に言及したが、この指摘には「アルコール依存症の方への配慮を欠く、ゆゆしき事態だ」として、筋違いの謝罪と撤回を求めた。

謝罪会見後の発信は全部ツイッターで、この日の2回の取材対応も短時間。委員会後は日程を理由に質疑を打ち切り、国会を後にした。「『言論の自由』の意味をはき違えている」(国会関係者)と厳しい非難もあり、言葉を発するたびに丸山氏の立場は厳しさを増している。【中山知子】