川崎市多摩区登戸新町の小田急線登戸駅周辺で28日午前7時40分ごろ、同区の私立カリタス小学校のスクールバスを待っていた児童ら19人が刃物を持った男に次々と刺され、小学6年の栗林華子さん(11)と別の児童の父親の小山智史さん(39)が死亡した。

小学校を運営するカリタス学園が同日夕方、会見を開いた。毎朝、登戸駅近くのバス停でスクールバスに乗る子どもたちを見送るという小学校の倭文覚(しとり・さとる)教頭は「6番目のバスが到着し、先頭の子どもたちを乗せた時、後方から子どもたちの叫び声が聞こえた。列の後方に移った時、犯人が両手に長い包丁のようなものを持ち、無言で子供に包丁を振りながらバスに向かって走っていったので、追いかけた。運転手が犯人の後を追うと、その姿を見届け、犯人より子供と思い110番をしながら、被害の状況を確認しながら列の後方に向かった」と事件発生当時の凄惨(せいさん)な現場の様子を語った。

その上で、倭文教頭は、7時45分にパトカーと救急車の手配をし、現場の様子を説明し、同51分に学校に一報を入れたという。そして、泣いている子供とケガをしている子供が複数いたので、ケガをしていない子に「元気な子は先生についてバスに乗りなさい」と言い、20名ほどバスに乗せたという。

その後、現場近くにあるコンビニに逃げていく子供もいたのでコンビニの方に向かっていくと、中にも複数の児童が逃げており、奥の方にケガをしている児童が5人、その3倍くらいの児童が逃げていたという。倭文教頭は、コンビニの中と路上とバスの手前のケガをしている子を見ながら「1番、重傷と思った」児童のところにいて、救急隊の到着を待ったという。【村上幸将】