山本太郎参院議員(44)が代表を務める政治団体「れいわ新選組」は5月31日、今夏の参院選もしくは衆院選の公認候補に、北朝鮮による拉致被害者蓮池薫氏の兄、蓮池透氏(64)を擁立すると発表した。山本氏と蓮池氏がそろって都内で会見した。夏の参院選に合わせた衆参同日選が取り沙汰されていることを踏まえ、両氏とも、どちらに出馬するかは参院選公示日直前まで慎重に検討、判断する。

山本氏が「公認候補予定者はこの方です」と紹介し、蓮池氏が姿を見せると、報道陣からどよめきが起きた。2人は11年の東日本大震災後にテレビ共演。反原発関連イベントでも、何回か顔を合わせたという。数日前、山本氏が蓮池氏を訪ねて出馬要請。蓮池氏は「光栄な言葉をたくさんいただき、一念発起して、太郎さんを応援していくことを決めた」と決意表明した。山本氏は「一緒に戦いたい人は本気の大人、骨のある人。日本を救うためにお力を貸してくださいとお願いした」と明かした。

蓮池氏は過去にも他の党から国政への出馬要請があったことを告白。「名前が多少知れ渡っていて、利用されるのかなと。政治に携わるほどの器ではないと思っていた」と説明した。

「れいわ-」は山本氏が4月に設立したばかり。蓮池氏は同団体からの出馬について「太郎さんは行動力がある政治家。リスペクトしています。1人で頑張ってきた太郎さんを1人にしておくわけにはいかない」と説明。山本氏とは脱原発でも一致している。「実家がある柏崎では原発(の賛否)で地域が分断され、差別も生まれている。原発を語ることもタブーと言われ、このままではいけない」と語った。一方、拉致問題については「重要なことだが、対話路線にシフトしたかのように見える安倍政権の政策を静観したい」と話した。

参院選では、蓮池氏の地元の新潟選挙区に、弁護士打越さく良氏(51)が野党統一候補として出馬することが決定。野党共闘を呼び掛ける山本氏は「新潟で無理やり(蓮池氏を)立てるということはまったくない」とした。蓮池氏が出る選挙が衆参どちらかは「参院選公示日前日までに答えを出せばいい」とし、さらに「私を含めギリギリまで分からない」とニヤリ。山本氏は参院東京選挙区から出馬するとみられているが、自身の衆院鞍替えの可能性にも含みを持たせた。【近藤由美子】

◆蓮池透(はすいけ・とおる)1955年(昭30)1月3日、新潟県柏崎市生まれ。東京理科大電気工学科卒。77年に東京電力に入社し、東京電力福島第1原発の保守管理などを担当。原子燃料サイクル部部長などを務め、09年に退社。北朝鮮による拉致被害者家族会で事務局長や副代表などを歴任。10年に退会した。