将棋の羽生善治九段(48)が4日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第60期王位戦挑戦者決定リーグ白組プレーオフで永瀬拓矢叡王(26)に勝ち、通算勝利数単独トップの1434勝を達成し、故大山康晴十五世名人の最多勝記録を約27年ぶりに更新し、会見を開いた。その中で、将棋の本質について「いろいろな可能性があるということ」と持論を語った。

羽生九段は、17年12月5日に竜王のタイトルを獲得、史上初の「永世七冠」を達成した際に「将棋そのものを本質的には分かっていない」と語った。質疑応答では、そのことを踏まえ「変化はあった?」と質問が飛んだ。同九段は「これは、ここ1年ぐらいですけど、もともと将棋は、とても難しいものであることは変わりない。非常に難易度が高い状況を迎えていることがすごく多くて、それが強くなったということじゃないですけど、間違いやすい状況に出会うことが多いのが、ここ1年の大きな流れではある」と自らの状況を語った。

その上で今、考えている将棋の本質について「まぁ…やっぱりいろいろな可能性があるということもありますし、何と言いますでしょうか、なかなか簡単には終わらないという側面も結構、あるんじゃないかなというふうにも思います」と、将棋の無限の可能性に、面白味も難しさも感じている日々であることをのぞかせた。【村上幸将】