6日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第60期王位戦挑戦者決定戦で、木村一基九段(45)が羽生善治九段(48)を下して、豊島将之王座(名人・棋聖=29)への挑戦権を獲得した。木村の王位戦登場は、3年ぶり4回目。竜王、王座、棋聖にも各1回挑戦しているが、ただし、タイトル獲得はまだない。別名「千駄ケ谷の受け師」。粘り強くて渋い受け将棋を持ち味としている。解説会では時に軽妙で、時にズバッと本音を言うトークで人気を博している。

19年度は、9期ぶりに豊島名人への挑戦権を競うA級にも復帰した。5月30日の第32期竜王戦1組3位決定戦でも羽生を撃破。公式戦1434勝の最多勝利記録更新を阻むとともに、本戦トーナメント入りしている。まさに「中年の星」だ。

「若い人ばかりがタイトルを持っている。しっかりぶつかっていきたい」と抱負を口にしていた。