安倍晋三首相は17日、自民党本部で開かれた全国幹事長会議であいさつし「老後2000万円」問題で拡大する公的年金制度への不安を念頭に「経済の成長により、年金の財政基盤は確かなものになっていると申し上げておきたい」と主張した。

「この6年で経済が10%以上成長し、運用益は44兆円プラスになった。前の政権の3年間と比べ、10倍増えた。年金財政はそれだけ確かなものになっている」と強調。ただ出席者からは、イージス・アショア配備をめぐる防衛省の失態とともに「選挙前に、地方にはマイナスの環境だ」と不満が出たという。

一方、首相は12年前の07年参院選惨敗に触れ「その後、あの悪夢のような民主党政権ができた。再びあんな時代にはできない。まなじりを決して勝ち抜こう」と、今夏の参院選勝利を訴えた。首相の退席後、出席者が甘利明選対委員長に衆参ダブル選の見送りを確認すると「基本路線はその方向」との認識が示された。