探査機はやぶさ2が7月11日、小惑星りゅうぐうに形成した世界初の人工クレーター周辺部に着陸して物質採取に挑む。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が25日、発表した。

4月5日の衝突実験で形成した人工クレーター内部も着陸候補だったが、爆発で大きな岩や石が突出し、内部の傾斜も大きなリスクとなるために回避し、周辺部を狙う。

目標は人工クレーターから北北西に約20メートル離れた「C01-Cb」と名付けられた半径3・5メートル以内の地点に決定した。ミッション名「ピンポイント・タッチダウン(着陸)」。2月22日の1回目の着陸では「半径は実質2・8メートルだった。挑戦しないわけにはいかない」と津田雄一・JAXA准教授は手応えを語った。

着陸地点には衝突実験で地下から露出した岩や砂が約1センチ降り積もっていると推測される。小惑星の地下は宇宙線や太陽光線にさらされず、太陽系が誕生した46億年前の痕跡が残っているとされる。令和初、りゅうぐうで最後の大仕事は7月11日午前11時ごろだ。