会期末を26日に控え、野党の最後の見せ場となる内閣不信任決議案は、提出すれば安倍首相が衆院解散に踏み切り、衆参ダブル選になるのではないかという野党の「疑心暗鬼」が響き、最後まで迫力がないまま粛々と否決された。

立民の枝野幸男代表は16日、「解散がないから不信任を出すと思われるのは、しゃくだ」と、一時は見送りを示唆。野党内でも主戦論と慎重論が交錯した。最終的に首相が解散に踏み切らないとの見通しから提出に動いたが、準備不足で衆院選を避けたい本音を首相や政権幹部、自民党に見透かされ、振り回された。

この日枝野氏は趣旨弁明で「安倍内閣は憲政史上最悪と言わざるを得ない」と退陣を迫ったが、「魂の3時間大演説」といわれた昨年7月と対照的に、この日は約1時間。自民党の萩生田光一幹事長代行は「不信任案提出は会期末の年中行事。国民はうんざりしている」。参院選は7月4日公示、21日投開票の予定だ。