作家の村上春樹氏(70)が26日、都内でDJに初挑戦したTOKYO FM「村上RADIO」の公開収録として、作家活動40周年記念ライブ「村上JAM」を開いた。

村上氏は、人生初の公開収録として開催したライブの、総合プロデュースを務めた。この日のステージには「20数年前からファンで、ライブがあれば通う」と心酔するジャズピアニスト大西順子(52)が音楽監督を務め、ジャズクラリネット奏者・北村英治(90)、サックス奏者の渡辺貞夫(86)ら日本を代表するミュージシャンがそろった。

村上氏は、早大第一文学部を卒業して、1979年(昭54)に「風の歌を聴け」でデビューしたが、専業作家になるまではジャズ関係の仕事をしていた。1974年(昭49)に東京・国分寺でジャズ喫茶「ピーターキャット」を開店。76年には同店を千駄ケ谷に移転し、営業するなどした経験を持つ。そのことを踏まえ「僕は昔、ジャズの店をやっていて、とてもこんなすごいメンバー、集まらなかったです。一晩でもやっていて欲しいくらい…そういうわけには、いかないしね」と感激した。

村上氏はMCの中で、ジャズ喫茶を経営していた当時の客から「無愛想だ」と言われたと明かした。

村上氏 まさか作家になるなんて思わないじゃない。最後の2年くらいは兼業だったんですけど…店をやってた頃は一生懸命、愛想良くやろうと思ったの。でも当時のお客さんに「無愛想だね」と言われて、あの時の努力は何だったんだ、と。

村上氏は今後の「村上RADIO」について「すごく楽しいし、出来るだけたくさん続けたいと思っています」と番組の継続に意欲を見せた。【村上幸将】