インターネット選挙が解禁された13年夏の参院選で、共産党躍進の一翼を担ったキャラクター「雇用のヨーコ」が3Dになって、歌って踊る動画「2019年選挙の歌」が話題を呼んでいる。6日公開の第1弾「YA! YA! YA! 野党共闘」が「共産党は変わった」「ヤバい」などと大反響を呼び、17日時点で再生回数26万300回に達した。各党が取り組む、インターネット選挙戦の最前線を追った。

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メガネ女子が軽快な音楽に乗って

<歌詞>老後の必要2000万って そんなの許せる? 許せない!

と歌い、踊る姿に「萌える」「キター」と歓喜の声が上がった。音楽動画コミュニティー「TikTok」などネット上では、アーティストのヒット曲を個人が歌ったり、踊ったりする「歌ってみた」「踊ってみた」のような動画が人気だが、雇用のヨーコのダンスを踊る動画も、ヒット曲のものと同様に複数投稿されている。

雇用のヨーコは、13年の参院選に向けて共産党が作ったキャラクター集団「カクサン部!」の1人だ。キャラ8人が憲法や子育てなどのテーマでツイートした効果もあってか、共産党は3議席から8議席へと躍進。その取り組みは、米国の経済紙ウォールストリート・ジャーナルでも取り上げられた。

3D動画の制作は3月から始動。北海道、東京、大阪のクリエーターとチームを作り、5月の連休明けから一気に作り上げた。共産党中央委員会の田村一志宣伝局長は「初心に帰り、分かりやすくやろうと、初音ミクのようにキャラクターが踊る動画を作りました」と説明。歌詞も、党と制作チームで話し合い「若い人の話法、文化を取り入れつつ政策、問題を伝える」スタンスで作った。

8日公開の第2弾「WE ARE 共産党!」はツイッターなどでの再生回数は10万3000回、15日公開の第3弾「選挙でWOW! WOW!」は6万4000回で、3本の合計再生回数は約43万回に上った。その第3弾の中で、ヨーコは声高らかに歌った。

<歌詞>さぁ選挙に行こう 選挙でWow! Wow! Wow! Wow! あなたの未来を選ぶのは あなただから

【村上幸将】