現職と官邸主導による新人が対決し、分裂した自民党内の「仁義なき戦い」となった広島選挙区は、新人の河井案里氏(45)が初当選し、ベテランの溝手顕正氏(76)が落選する大波乱となった。

今回、2人区で自民が2人を擁立したのは、広島だけ。溝手氏は、広島が地盤の岸田文雄政調会長が率いる岸田派の重鎮。一方、河井氏は首相に近い河井克行衆院議員の妻で、擁立には、菅義偉官房長官がかかわった。岸田氏VS菅氏というポスト安倍の2人をめぐる「代理戦争」で敗れた岸田氏の求心力低下は、免れない。初当選した河井氏は「重い議席をいただいた」と話したが、党内にしこりを残すことになりそうだ。

もう1議席は、無所属の現職森本真治氏(46)が守った。