京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」第1スタジオで35人が死亡した放火殺人事件は8日、発生から3週間を迎えた。現場近くの献花台には、市民らが犠牲者への鎮魂の思いを込めて折った5万羽超の折り鶴が供えられた。青葉真司容疑者(41)は全身やけどの治療中で事情が聴けていない。

大阪府内の病院に入院中の青葉容疑者は、7月27日までに意識は回復したものの、捜査関係者によると「回復の兆しはあるが、予断を許さない状態が続いている。事情聴取のメドは立っていない」という。

一方で足取りからは、京アニ作品との「接点」も見えてきた。青葉容疑者は15日に京都入り。事件前の3日間にわたり、京都市や、同社のアニメ「響け!ユーフォニアム」の舞台となる京都府宇治市で目撃されていた。「響け!-」の聖地とされるJR宇治駅や宇治川近辺を写すカメラには、青葉容疑者とみられる男が歩く姿が記録されていた。また、さいたま市見沼区の同容疑者の自宅アパートからは「響け!-」の色紙を押収している。

宇治市中央図書館は「京アニのために祈ります」という意味の「#PRAY FOR 京アニ」と銘打った応援コーナーを館内に設けた。メッセージボードには地元の小学生が書いた「まけへんで」、「がんばれ みんなが見守っています」。安田美樹館長は「なにかできることがないかと考えていた。少しでも応援できれば」。「聖地」からも祈りが寄せられている。【松浦隆司】