松坂大輔の決勝戦ノーヒットノーランで、横浜高校が史上5校目の春夏連覇を達成した1998年(平10)、青森大会で史上最多得点差の0-122で敗れ、全国レベルの話題となった深浦高校(現・木造高校深浦校舎)野球部が今夏、部員ゼロになり、16日から始まる秋季地区大会を辞退した。部員ゼロは初めて。同校は来春の新入生に期待するが、状況は厳しく、部員確保の見通しは立っていない。

   ◇   ◇   ◇

球史に残る東奥義塾戦で、1年ながら4番を打った斎藤謙介さん(37)は「オレらのときは、最大で14~15人いて、女子マネジャーも2人。今、考えればぜいたくだったなと思います。部員ゼロなんて寂しいですよ」と話す。3時間47分に及んだ試合は被安打86、許盗塁76。1回だけで打者42人。最初のアウトを取るまで40分かかった。「あれからすごく注目されて、観客も多くて(対戦相手は)どこも手を抜いてくれない。次の年も0-54でした。でも今、振り返っても悪くない3年間でした」。先輩、同期など周囲は独身が多いという。「深浦に残っている者も少ないし、OBが自分の子どもを野球部に、というのも難しいと思います」と話している。