京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」第1スタジオで35人が死亡し、34人が重軽傷を負った放火殺人事件は18日、発生から1カ月を迎えた。全身やけどで入院中の青葉真司容疑者(41=さいたま市、殺人容疑などで逮捕状)は予断を許さない状態が続き、動機や経緯の解明が待たれる中、事情聴取のめどは立っていない。

「すぐに1カ月になってしまった。悔しさというより、幸恵がいなくなって変な感じだ」。京アニで絵を仕上げる「着色」のプロとして約20年勤めた津田幸恵さん(41)の父伸一さん(69)は、兵庫県加古川市の自宅で涙をぬぐった。

盆や正月には必ず加古川に帰ってきてくれた。今年5月、幸恵さんがひょっこり顔を出した。「『今年のお盆は忙しくなるから帰れないから顔を見にきた』と弁当を買ってきてくれた」。伸一さんは「お盆や正月に帰れない時には電話がありました。今年は…。ほんまに帰ってくることができなくなってしまった…」。

幸恵さんが住んでいたマンションは近く引き払うことが決まった。「幸恵が普段使っていたものは、箱詰めにして、こっちに持ってくる。時間ができてから整理するつもりです」。青葉容疑者について「どうでもええ」と語気を強めた。