6日に平和記念式典に参列するために訪れた広島市で、暴行の疑いで逮捕、送検後に釈放された、埼玉県幸手市の渡辺邦夫市長(62)が20日、同市議会の宮杉勝男議長に、翌21日付で退職したいと退職申し出書を提出した。

同日午後3時から行われた臨時市議会で、出席した市議15人の満場一致で可決された。

渡辺市長は7日、広島市内でバーの女性店員(20)を拳で数回、殴るなどした暴行の疑いで、広島中央署に現行犯逮捕された。逮捕の際には「身に覚えがない。なぜこのようなことになったのか理解できない」と容疑を否認した。同市長は、6日の平和記念式典に参列するため、5日から7日までの予定で幸手市内の中学生らと広島市を訪問し、7日午前2時半ごろ暴行に及んだという。

渡辺市長は退職申し出書の中で「地方自治法第145条の規定に基づき、令和元年8月21日をもって退職したいので申し出致します」とした。同条では「普通地方公共団体の長は、退職しようとするときは、その退職しようとする日前、都道府県知事にあつては三十日、市町村長にあつては二十日までに、当該普通地方公共団体の議会の議長に申し出なければならない。但し、議会の同意を得たときは、その期日前に退職することができる」と規定されている。

渡辺市長は11年に初当選し2期目を務めていたが、任期の11月8日が3カ月後に迫り、次の選挙の日程は10月20日告示、同27日投開票と決まっていた。