東京オリンピック(五輪)・パラリンピック競技大会組織委員会、東京都は25日、2020大会の開会式の選手輸送を想定した交通実証テストを実施した。

東京・中央区晴海に建設中の選手村から新国立競技場(新宿区)周辺まで計75台の大型バス(40人乗り)を3陣に振り分け、各25台が隊列を組んで首都高速、一般道を往復した。3陣目のバスには車いす6台も乗降するなど、会場周辺でのバス輸送方法の確認を行った。

来年7月24日の開会式当日が祝日となるため、交通渋滞を想定して日曜日に実証実験を設定した。選手村から新国立競技場まで片道約20キロの距離で約40分間の所要時間を見込んでいた。

午後6時53分すぎに第1陣が出発した。首都高速の外苑出口から直行、一般道を経由するなど3コースに分けてテストしたが、最短コースを走った車両は7時21分に選手の乗降場所に予定している神宮外苑の聖徳記念絵画館前に到着。所要時間は約28分間と想定を上回った。「30分ぐらいで到着したのはおおむね良かった」と、斎藤勝久・輸送企画部長は及第点を出した。今後、実証実験の結果を精査し、本番への課題などが再検討される。

今回はバスが移動する区間で交通規制が行われた。

一般道で専用車線を設定して右折車線を一時的に2車線とするなど大型バスを優先的に走行させた。選手村付近では午後6時ごろから同7時30分ごろまで新国立競技場周辺では午後6時30分ごろから同10時30分ごろまでが規制された。首都高速の外苑出入り口も午後6時30分ごろから同10時30分ごろまで閉鎖された。