来年の東京オリンピック(五輪)期間中、東京メトロや都営地下鉄は都内の主要ターミナル駅3カ所に、乗客の不審物所持を調べる旅客スクリーニング装置を導入する方針を固めたことが29日、分かった。国内の鉄道駅で旅客スクリーニングが行われるのは初めてとなる。JR東日本とJR東海は1都3県の新幹線主要駅に、爆発物探知犬を配置する方針。テロを含めた重大犯罪を未然に防ぎ、五輪期間中の鉄道の確実な安全確保を目指す。

五輪期間中、全国の鉄道約9500駅から約440駅が警戒強化対象駅とされ、危険性などさまざまな要素から、それぞれランク付けされる方針。爆発物探知犬が配置される方向の新幹線拠点駅計5駅は、最も警戒度が高い「最重要駅」、旅客スクリーニングを行う予定の3駅は2番目に警戒度が高い「重要駅」に振り分けられる見込みだ。

そのほか「最重要駅」には、メイン会場となる新国立競技場周辺の駅、羽田空港や成田空港が振り分けられる方向。都内の主要ターミナル駅に続き、名古屋や新大阪など地方の主要駅も、3番目に警戒度が高い「重点警戒駅」に設定される見込み。いずれも警備員の巡回や防犯カメラによる監視を強化。鉄道各駅で万全の警備態勢を敷く方針だ。