大手化学メーカーのカネカは3日、同社が開発した生分解性ポリマーPHBHが、欧州連合全域の全食品接触用途で使用可能になったと発表した。

今年1月に欧州委員会の「欧州食品接触材料および製品に関する規則」のリストに掲載。フルーツ・ベジタブル袋などのドライフード用途で使用可能になっていたが、その後EU理事会などの手続きを経て、全食品に接触する用途で認可された。今後はストロー、コップ、ナイフ、フォーク、スプーンなどにも使用可能になるという。

この素材は、微生物が植物油を摂取し体内に蓄えたものを取り出した100%植物由来のバイオポリマー。土や海中で二酸化炭素(CO2)と水に生分解される。日本では、セブン&アイ・ホールディングスとストロー、資生堂と化粧品容器などの共同開発が発表されている。石油ベースのプラスチックごみが世界的に問題になる中、EUでは近年、石油ベースの使い捨てプラスチックに対してさまざまな規制が打ち出されており、使用削減とともに代替素材の開発も焦点となっている。