中国本土に容疑者を引き渡せるようにする、逃亡犯条例改正案をめぐる抗議行動が激化する香港で3日、抗議活動として授業をボイコットした生徒がいるとされる中学校に警察が踏み込み、中学生を追いかけて地面に押し倒し、流血させたと地元メディアが一斉に報じた。

香港の英語ニュースサイト「香港フリープレス」は3日、大埔(ダイホ)区にある中学で午前8時、10人の制服警官が校内に踏み込み、何人かが生徒を校庭に倒し、組み伏せたと動画付きで報じた。生徒は警察から聴取後、解放されたが、鼻や口、あごから流血した生徒もおり、救急隊員が応急処置し病院に搬送したという。

地元メディアの立場新聞は、2日に授業をボイコットした生徒の休校名簿を教育局が中学に提出させたことに在校生が怒り、近隣の他校の生徒や住民ら60人ほどが生徒支援のために学校周辺に集まっていたという。学校内への捜査について香港警察は3日午後、会見で、騒音があるなどの4件の通報と、学校からの連絡があり出動したと説明。「警察官を見た生徒が急に逃げたから追いかけた。地面が滑っていたので転んだのだ」と主張した。

そんな混乱の中、林鄭月娥(リンテイ・ゲツガ)行政長官が私的な会合で「選択肢があるなら真っ先に辞任して辞めたい」と語った音声をロイター通信が公開。同長官は会見で「私は辞任しない。それは自らの選択だ」と辞任を否定。その一方で「公開される予定の話じゃない。発言には何の意味もない」と語り、自らの音声であることは否定しなかった。