第4次安倍再改造内閣は11日、発足した。お友達&待機組在庫消費の顔ぶれで、唯一の目玉になった小泉進次郎環境相は「仕事をします。働きます」と、やる気をみせた。検討する育休取得について「公務最優先」「万全の危機管理」「妻の不安払拭(ふっしょく)」の3点が両立できる形を目指すという。

安倍晋三首相は「安定と挑戦内閣」と命名したが、「挑戦」担当の人気者・進次郎氏を取り込んだのは、早期の衆院解散・総選挙に踏み切るためではとの臆測も出ている。

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国会議員10年を機に、新たに選んだイメージカラー青のネクタイで、官邸入りした進次郎氏。

先に入った麻生太郎財務相から、すれ違いざまに激励された。首相には9日、環境相での入閣を打診された。長年、首相との距離感が指摘されてきたが「(打診を受けたのは)理屈じゃないです。よろしくお願いしますと、自然と体から言葉が出た感じだった」と振り返った。

抜てきの理由の1つが、発信力だ。環境政策では、気候変動や海洋プラスチックごみなど世界規模の課題が多く、今後海外の会議での英語スピーチも見込まれ、首相に「発信の方もよろしく」と伝えられた。「環境省は、社会変革をするのが仕事だ。環境は日本が世界に売れる最大の分野。世界では重要課題だが日本での扱いは小さく、そのギャップを埋めたい。やりがいも課題も含めて、まさに挑戦です」と述べた。

閣僚としての育休取得に関心が集まるが「検討していますかと問われたので、検討していますと言っただけ。それで賛否両論の騒ぎになるとは、日本は固い、古いね」と主張。「(育休を理由に)国会や閣議に出ないなんてことはない」と強調し、公務最優先をアピール。万全な危機管理や、妻の不安払拭(ふっしょく)とともに両立できる形での取得を模索する。

妻の滝川クリステルについて「(結婚した)先月から、環境の変化が著しい。妊娠中の妻のストレスや負担にならないようさらに支えたい。よろしく、と伝えた」。父純一郎氏には「良かったな。環境問題は大事。最高じゃないか」と言葉をかけられたという。

初入閣は、「ポスト安倍」レースに本格的に参戦する1歩でもある。「今日の1歩は、結果が問われる。真価が問われる1歩なので、仕事をします。働きます」と、気を引き締めた。

原子力防災担当も兼務しており、12日に福島県を訪れ、内堀雅雄知事らと会談する。前日、前任の原田義昭氏が東京電力福島第1原発の汚染水浄化後の処理水について「海洋放出しかない」と発言、福島では批判が広がる。進次郎氏は、「所管の経産省小委員会でしっかり議論してほしい」と述べ「福島の皆さんの気持ちをこれ以上傷つけることがないような議論を進めないといけない」と、くぎを刺した。【中山知子】