東京都豊島区池袋のラブホテルで12日、ビニールとシーツに包まれた女性の遺体が見つかった事件で、遺体が見つかった2階の部屋に、女性が入室する2時間前に、黒いリュックを背負い、キャリーケースを手にした不審な男が入室していたことが13日、捜査関係者への取材で分かった。

遺体は12日午後8時15分ごろ、清掃のために入室した従業員が発見し、同31分に110番、同57分には119番通報した。遺体は黒のTシャツを着た状態で、ビニールにくるまれた上からシーツにもくるまれ、全身が出ていない状態だったという。そして午後9時59分、救急隊が、医師の診断を仰ぐまでもなく誰が見ても死と判断できる「社会死」と認定した。

遺体は発見当初は男性とみられていたが、その後、女性と判明。年齢は30~40代で、身長は165センチ。黒のTシャツに黒のスエットのズボン、黒の靴下を身に着けていた。検視の結果、頸部(けいぶ)に圧迫した疑いがある、うっ血点があり、警視庁は殺人、死体遺棄事件として池袋署に捜査本部を設置した。

捜査関係者によると、12日午後3時41分、ホテルの防犯カメラに黒っぽい上下を着た不審な男が、205号室に入っていく姿が写っていた。そして同5時48分、今度は被害者とみられる女性が205号室に入っていく姿も写っていた。女性はショートヘアで、黒縁の眼鏡をかけ、柄が着いた黒の半袖の上着を着て、青っぽい帽子をかぶり、リュックを背負っていたという。その後、同7時42分に、男が205号室から出て行く姿もカメラで確認できたという。

不審な男は、205号室に出入りする際、黒いリュックとキャリーケースを持っていたことが、防犯カメラの映像から確認されている。一方、女性の帽子とリュックは13日午後5時現在、発見されていないという。【村上幸将】