台風15号は千葉県の特産品の落花生にも影響を及ぼしている。

千葉県は国産落花生の8割以上を生産。その中でも八街市は生産量日本一をうたう落花生の町としても知られる。観光農園「繁田楽農園」を営む繁田吉雄さん(71)が育てる落花生「おおまさり」は、収穫期を迎えていたが、台風で被災。土の中で育つ落花生が暴風雨で露出し、約2割が青く変色。繁田さんは「商品価値がないと値段を下げられる」とため息をついた。天候不順もあり生産量は約5割だという。

停電と断水の影響で、農作業がストップした。復旧したのは18日夜。断水で落花生を洗うことができなかったため、収穫予定を10日以上を先送りし、ようやく19日から開始した。

繁田さんは10月からの消費増税も懸念した。「復旧にかかる資材費は税率10%で、収穫した農作物は軽減税率8%と安い。どうすればいいんだろうね。これでは農家を辞める人も増えるのでは」と話した。

市は今年の落花生の生産量を例年の半分と見込む。台風被害額は落花生で1億円、農作物全体で13億6000万円とみている。19日現在、2500戸の停電が続き、断水地域もある。