2020年度(21年1月)からの大学入学共通テストで導入される民間英語試験の1つ、日本英語検定協会は7日、主軸の「S-CBT」という試験の予約申込期間を11月11日まで延長すると発表した。20年4~7月分の試験が対象で、当初は9月18日~10月7日としていた。検定料の一部になる予約金3000円の返金申込も、当初は10月8~15日としていたが、11月5~11日に後ろ倒しした。

20年度入試の英語は、志望大学の方針によって必要ならば、来年4~12月に民間の6団体7種のいずれかを受け、最大2回分を大学入試センターに登録。志望大学の受験資格や2次試験加点などに使われる仕組み。しかし、今なお各民間試験の日程、会場などの概要に未定部分が多く、教育現場では混乱が続いている。英検は、文科省が各民間団体に11月1日までに実施概要の公表を要請したこと、10月中旬には活用する大学名も公表される見通しになったことを指摘。各試験を比較し自分にふさわしい試験を選べるようにするために、延長などの対応を決めたという。

民間英語試験の導入をめぐっては、新たに検定料や交通費がかかるなど、所得格差や地域格差などが生まれる懸念があり、大学、高校、予備校の教員や高校生らから「最低限の公平性、公正性が担保されない」などの批判が噴出。全国高等学校長協会も2度にわたって延期、見直しなどを求める要望書を文科相に提出してきた。また国語と数学に記述式問題が導入されるが、その採点を民間業者が担当することにも批判や疑問が出ている。