19年のノーベル化学賞を受賞した、旭化成名誉フェローで名城大教授の吉野彰氏(71)が、受賞から一夜明けた10日、久美子夫人(71)とともに都内で会見を開いた。

吉野氏が京大時代に出会った久美子夫人は、吉野氏のどこに引かれたか? と聞かれると「好きになったというか…まず、誠実であると感じられたこと。何事も一生懸命にやっているところ、社会悪に立ち向かっているところを感じられたことですかね? 公害問題とか結構、大変だった時ですね」と語った。

結婚当時、ノーベル賞を夫が受賞すると思ったか? と聞かれると「結婚するに当たって、私はサラリーマンと結婚するんであって、学者の妻になろうとは少しも思っていなかった」と苦笑いした。その上で「もっと、ちゃんと何もかもしっかりやっておくんだったと思っております。生活から含めて、もう少しサポートの仕方があったかとか?」とも口にした。

久美子夫人は、吉野氏から「私は、もう少し大事にしておけば良かったなと」と言われると「お疲れさまでした…は、まだ変? 健康に十分気を付けて下さい」と返した。吉野氏は「私はやるべきことを、ちゃんとやりました」と胸を張った。【村上幸将】