ラグビーワールドカップ(W杯)日本代表は13日、決勝トーナメント進出をかけてスコットランド戦を迎える。日本スコットランド協会代表理事の高橋愛朗(よしあき)さん(64)にスコットランド人の気質を聞いた。

「普段はもの静かで内向的。内弁慶ですが、一度輪の中に入ると、すごく親しみを感じられる人たちです」。さらに「緑が少なく荒涼としていて気候が厳しいことから、歴史的に裕福な土地柄ではなく、お互い助け合わないといけなかった。風土的な背景から、勤勉で我慢強い性格が培われ、ラグビーにも生かされているのでは」と推測した。

高橋さんは84年から4年間、仕事でスコットランドの都市・エディンバラに住んでいた。当時、日本で最も強かった神戸製鋼がエディンバラ近郊でスコットランド代表と行った交流試合を観戦した。「ラグビー選手は体格がいいはずなのに、日本の選手はきゃしゃ。スコットランドの選手と並ぶと、体格が全然違う。大人と子供ぐらいの体格差でした」と振り返った。

スコットランド人の体格についても言及した。「ケルト人でバイキングと言われ、元々、先祖が大きい人たち。飲む量もすごい。ビールは水代わりで、スコッチウイスキーのチェイサーがビールですから。『オレはこの試合で30杯飲んだ』と言っている人を見ても、あるなと思います」。現在の日本代表については「すごい強いですね。体格は海外選手に見劣りしない。筋肉がすごい」と感心した。

スコットランドは過去1勝10敗の難敵だ。今回のW杯では、スコットランドがロシアに圧勝した試合を観戦した。気質から見るスコットランドの“死角”を聞くと「ロシア戦を見てしまうと、死角がなかなかないですが」と前置きした上で「予想外のことが1つでもあると、まじめなスコットランド人は流せず、真剣に考えてしまう。焦ってミスが出る可能性がある。どこまで日本がスコットランドと互角に戦える時間が長いか。スコットランドは絶対的に自信がある中で、点を取れなかったり、先制点を取られると、焦ると思います」と指摘した。

台風19号の影響で現在、試合開催が危ぶまれている。「英国は1日の中に四季があると言われる天候なので、スコットランド人は晴れても雨が降っても、天気を気にしない人たちですが、台風はないので、ショックを受けると思います」と話した。最後に、高橋さんは運命の一戦の行方について「日本を応援しますが、(勝つのは)絶対にスコットランド」と予想した。