将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が15日、大阪市の関西将棋会館で指された第78期名人戦順位戦C級1組5回戦で宮本広志五段(33)を破り、開幕から無傷の5連勝とした。各10局を戦う順位戦C級1組は今期36人が参加し、上位2人がB級2組へ昇級する。藤井は前半戦を全勝ターンし、首位をキープした。

最後は持ち前の鋭い攻めで投了に追い込んだ藤井は「受けに回る時間が長い将棋でした」と振り返った。順位戦は最上位のA級からC級2組までの5クラスに分かれて戦い、A級の優勝者が名人挑戦者となる。昇級には9勝1敗、10戦全勝の好成績が必要になる。前期、藤井はC級1組で9勝1敗の好成績を収めながらも、前期成績を元にした順位の差で1つ上のB級2組への昇級を逃した。プロになってからの初めてのつまずきだった。

谷川浩司九段(57)が持つ名人獲得の史上最年少記録(21歳2カ月)を更新するには、今後の順位戦をすべて1期で昇級する必要がある。全勝ターンに「前半はいい形で折り返すことができた。残り5局も1局1局、全力を尽くしたい」と気を引き締めた。最年少名人へ、もう足踏みはしない。【松浦隆司】