神奈川県警は16日、当時小学6年の12歳の女子児童に複数回にわたって性的暴行を加えたとして、強制性交の疑いで、同県厚木市の障害者支援施設「愛名やまゆり園」の前園長、高橋英行容疑者(59)を逮捕した。逮捕容疑は、18年11月から12月にかけて、厚木市内で複数回にわたって女子児童に、わいせつな行為をした疑い。

愛名やまゆり園を運営する社会福祉法人によると、高橋容疑者は園長を務めていた8月13日に、法人に対し、退職届を提出したという。その際、同容疑者は「園長を続けられない事態が起きた」と説明し、聞き取りに対し、知人の娘である女子児童に不適切な行為を行ったという趣旨の説明をしたという。法人としては、業務外のことで高橋容疑者の説明以外、事実確認のしようがなく、ひとまず退職届は受理せず、園長のみ交代し、事態の推移を見守っていたという。

愛名やまゆり園は、1966年(昭41)に、知的障害を持つ児童の施設として設立され、その後、知的障害者施設に全面転換され、2006年(平18)に現在の運営法人に指定管理業務が委託された。現在は100人が入所し、130人が生活介護、20人が短期入所している。運営法人は、16年7月に入所者ら45人が殺傷される事件が発生した、相模原市の津久井やまゆり園も運営している。

高橋容疑者は、運営法人に1990年(平2)に入社し、愛名やまゆり園を含む3施設に勤務し、14年から同園の園長を務めていた。【村上幸将】